第2章 たった1人でのゴールデンウィーク合宿
「え?日向?」と、山口も一緒にその影に近づくと
確かにそこには小さい体を更に小さくした日向がいた。
「…俺って、頼りねぇのかなぁ」
その小さな背中から聞こえてきた言葉はなんの脈絡もなく、
月島は「は?」と冷たく問い返す。
「さっき美月と影山が一緒にいて、
影山が美月の風呂の付き添いしたって聞いたんだ。
俺に頼めばいいのに、影山に…」
蚊の鳴くような声で説明が為され、2人はようやく日向の今の状況を理解した。
と、同時に2人の意識は影山に向かう。
((影山…いつの間に…))
美月の付き添い役を出し抜かれたと知り、
目の前の日向から注意がそがれる。
その時、
パァーーーッン
乾いた音が廊下に響き、月島と山口は遠くに行っていた意識を無理やり引き戻された。