第2章 たった1人でのゴールデンウィーク合宿
つい美月と影山のペースに持ってかれそうになったが、
日向は胸に抱えたもやもやを晴らすべく叫ぶ。
そのセリフには、俺は美月に近づけなかったのに!という意も含まれていた。
「それはまぁいろいろありまして…」
答えながら美月はちらりと影山に視線を送る。
2人が視線を交える様を見ていると、
なんだか自分だけ仲間外れのように思えた。
(なんだ…?美月と影山ってこんなに仲良かったっけ…?)
日向にじっと見つめられ、美月はため息をついた。
日向の追及する目に迫られ、どうやら説明する決心がついたようだ。
「…恥ずかしいから言いたくなかったんだけど、
一人でお風呂行くのが怖いから付き添いしてもらってたんだ。
それで、そのお礼にホットミルク作って飲んでたの」
幼馴染とはいえ、
自分のいつまでも怖がりなところなんてできれば見せたくない。
美月の言い分としてはそんな思いがあったのだが
日向の胸のもやもやは消えるばかりかさらにその濃さを増す。
(一人で風呂行くのが怖いなんて、俺聞いてない…。
しかも、怖いからって…頼るのは影山…?)