第2章 たった1人でのゴールデンウィーク合宿
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「1年~、次風呂空いたぞ~」
美月と影山が風呂へ向かってから、1時間程経った頃。
風呂上りでほかほかした2年が1年の待つ大広間に戻ってきた。
「ういっす!行ってきまーす!」
日向は飛ぶように立ち上がり、
既に準備していたお風呂セットを手に廊下へ出る。
「あのさ、一人で突っ走んないでくれる?」
がっつり練習した後だというのにまだ力を持て余している様子。
そんな日向に月島はうんざり顔だ。
「王様に風呂の時間だって伝えなきゃだし」
「…あれ?そういえばいないね?」
月島に気付かされ、山口がキョロキョロと周りを見回した。
「どうせ王様のことだから外で自主練でもしてるんじゃない?」
そっけなく放たれた月島の言葉が日向の耳にぴくりと反応をもたらす。
「なんだとー!?抜け駆け許さんっ!探してくる!」
はぁ?と眉間にしわを寄せた月島。
しかしそんな様子には目もくれず
日向は物凄い勢いで広間を飛び出していった。