第2章 たった1人でのゴールデンウィーク合宿
「なんだよ研磨、随分懐かれてるな」
「…これは、別に…」
黒尾と美月の間に挟まり、困っている様子の研磨。
黒尾は研磨の様子を見て面白そうに口角を上げた。
「研磨が気を許す相手。しかも女子なんて興味湧くけど、
あいにくチームメイトが待ってるんでね。また明日ね、美月ちゃん」
にっこりとした笑顔を美月に向けると、「行くぞ研磨」と元来た道を引き返す。
研磨はジャージから離れた手を辿るようにして美月と視線を交えた。
「またね、美月」
「うん、またね…」
明日の試合の対戦校。
明日、会う時は敵・・・・
美月は複雑な気持ちで彼らを見送った。