第2章 たった1人でのゴールデンウィーク合宿
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いつもは清水や武田先生が一緒にいるため、
1人で合宿所へ向かうのは初めてだった。
(一人で歩いてると、やけに景色が目に入るよねぇ)
住宅街をきょろきょろ見回しながら歩いていると、
どんっ、と曲がり角で人にぶつかってしまった。
「わっ、ご、ごめんなさいっ」
今日の美月はどうやら厄日らしい。
すぐに頭を下げ、謝罪を表す。
(自分の今日の不注意さ、さすがに嫌気がさす…)
「いや…、こっちがよそ見してたから…」
ぶつかってしまった相手はこちらと目を合わすことなく、
小さく頭を下げた。