第2章 たった1人でのゴールデンウィーク合宿
急に美月の手を握る力が強まり、美月は日向に目を向ける。
すると日向は悲痛な面持ちで口を開いた。
「あのさ、美月…。美月にボール当てたの俺なんだ…。
俺のせいで…ごめん」
頭を下げる日向の表情は見えないが、きっと泣きそうな顔になっているだろう。
(私が眠っている間、責任感じて辛かっただろうな…)
美月は日向に顔を上げるよう促す。
「さっきね、翔ちゃんの夢見た」
「俺の?」
「うん。ちっちゃい頃の夢。それで目が覚めたの。
きっと手、握ってくれてたおかげだよ。ありがとう」
にっこり笑いかけると、日向は戸惑いつつも
「そっか」と笑い返してくれた。