第2章 たった1人でのゴールデンウィーク合宿
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ドサッ、という人が倒れる音に体育館は静まり返る。
トントンと美月に当たったボールが床を跳ね、
その動きが止まることで完全に無音状態に包まれた時、
「美月…?美月!!」
日向が静寂を切って美月に駆け寄った。
「…っ!日向!!むやみに動かすなっ!!」
烏養が日向の行動で我に返り叫ぶ。
「…僕っ、保健の先生を呼んできます!」
武田は走って体育館を出て行った。
「どうしようっ!俺のボールが当たったんだ!!俺のせいでっ」
青ざめた顔で美月のそばに座り込む日向の肩を、澤村が掴む。
「落ち着け日向!壁にバウンドしたボールが当たったんだ!そんな重症にはならないはずだ」
「でも…っ!でも倒れて…動かない…っ」
目に涙を溜める日向に、澤村も言葉を失う。
そんな2人を見て、菅原は美月の状態を確認する烏養のそばにしゃがみこんだ。
「烏養さん、どうですか?」
「首の近くを打ったみたいだ。打ち所が悪くて意識飛ばしちまったんだろーな…。
とりあえず大事をとって担架で運ぶぞ」
月島と影山が美月を保健室まで運び、
体育館はようやく混乱状態を抜けた。