第2章 たった1人でのゴールデンウィーク合宿
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風呂から上がり、部屋に行くまでの道。
美月と影山はバレーのことや日向のことを語り合った。
「そっか!影山くん、翔ちゃんと中学の大会で戦った相手だったんだね!
どうりで少し見覚えあった!」
「あの大会、お前も来てたんだな」
「もちろん!応援しに行ったよー」
美月は影山の前では日向を『翔ちゃん』と呼ぶ。
同い年の男子でここまで素を出せる相手は美月にとって貴重な存在だ。
あっという間に部屋にたどり着き、
影山は明日も美月を風呂まで送ると約束してくれた。
美月は断ろうとしたものの、ホットミルクのお礼だと食い下がられてしまったので
お言葉に甘えることにした。
「おやすみ、影山くん」
「あぁ、おやすみ」
影山を見送ると美月は部屋に入り、この合宿での日々を思い返した。
たった数日だが、部員とは最初に比べだいぶ打ち解けたように思う。
最初の意味での緊張とは違う意味で緊張する、なんていう経験もあったりしたが…
(あと2日、もっと皆と仲良くなりたいな…)
そんな想いを胸に、美月は目を閉じた。