第1章 烏野高校バレー部、始まる
(誰だっけ…同じクラスの…あ、山口くんだ)
しょげた美月が自分の机にもう一度突っ伏そうとしたとき、
月島とは対照的な明るい声が近づいてきた。
「今日の放課後のバレー部!とりあえず第2体育館に行けばいいらしいよー」
「え?バレー部?」
2人の会話を遮ったこともあり、月島と山口の視線が美月に注がれる。
訝しげな顔で月島が答えた。
「そうだけど、なに?」
「あ、いや…私の幼馴染もバレー部に入ったから、ちょっと気になって」
2人は目を見開いた。
「えぇっ!それってもしかして王様!?」
(…王様?多分…翔ちゃんじゃなさそう)
「分からないけれど、私より背がちょっと高いくらいの、元気ですごい動く子」
「あぁ、あのチビ」
サラッと月島が吐いた毒。
「チ!?翔ちゃんは別にチビじゃないよ!!」
美月は思わず大きく反抗してしまった。
「「…翔ちゃん?」」