第2章 たった1人でのゴールデンウィーク合宿
(っ!!!??)
大広間に向かって大声を張る西谷に思わず目を見開く。
「にっ、西谷先輩っ…!?私、別に部屋に入るつもりは…っ!」
「なんだよ遠慮すんな?大事なマネージャーだからな!歓迎する!」
眩しいくらいの笑顔を向けられたら、反論なんてできない。
(だけど…、気持ちは嬉しいけど…っ!
翔ちゃんを呼び出すだけで十分だったのに、招待なんてされても困る!!)
恐る恐る部屋に目を向ける。
大広間の中にいたのは1、2年組。
その全員が突然の来訪者に固まってこちらを見つめていた。
静まり返った空気の中、最初に口を開いたのは田中。
「え…と、ノヤ?その、何がどうして美月がここへ?」
「翔陽に用があるんだとよー」
日向?と広間が小さくざわめく。
「いや、大した用ではなくて!ただちょっと…
お風呂場までの廊下が暗いので、付いてきてもらおうかと」
最後の方は俯いてごにょごにょとした声になってしまった。
この歳になって付き添いを頼むというのは少し恥ずかしく思ったからだ。
馬鹿にされてしまうかな?(特に月島あたりに)と思ったが
そんな隙もなく『風呂』というワードのみに反応した田中が勢いよく立ち上がった。