• テキストサイズ

【ハイキュー原作沿い逆ハー】空飛ぶカラス

第2章 たった1人でのゴールデンウィーク合宿




「河北さん、無理してないか?」


美月は予想外の言葉をかけられ、閉じていた目を開いた。
顔を上げると目の前には心配そうな澤村の顔。


「無理、ですか…?」
「今朝のことで、無理して俺らと仲良くしようとしてくれてるのかなって」


申し訳なさそうに言う澤村を見て、やっと美月は状況を理解した。

「ち、ちがいます!確かに今朝のことは勇気を出すきっかけになりました。
でも、皆さんと仲良くなりたいのはほんとの気持ちです!」

澤村を前にして、美月は必死に訴える。


「最初は皆さんのこと、少し怖いって思ってました。
でも、重いものを運んでたら手伝おうとしてくれたり、
話の輪の中に混ざるよう声かけてくれたり…
マネージャーになったばかりの私のことすごく気にかけてもらったんです。

だから今は、皆さんが優しくて素敵な人ばかりだって分かります。

なにより、皆さんがバレーしてる姿見てると、心がうずくんです!
だから…、皆さんと仲良くなりたいのは本心ですっ」


合宿が始まるまでの間、
部員として過ごしてきた時間を想いながら
気持ちを言葉にした。

これが美月の嘘偽りない気持ちであることは、彼女の瞳を見れば分かる。

澤村は彼女の想いを受け、ふぅっと息を吐いた。

自分が無理をさせたのではないと分かり安心したし、
彼女の強い想いを聞かされて少し弱ったのだ。


「ありがとな、そんなふうに思ってもらえてたなんて知らなかった」

「思ってます!…ただ、慣れてないので緊張しますし、まだ少し怖がっちゃいます」


立派に仲良くなりたい宣言をしたものの、
現状の事実としてはまだ部員に怯えてしまう日々。

先ほどの威勢の良さから一転、しょんぼりした美月の様子は
菅原の言う通りとても健気に思え、

気付くと澤村はその手を美月の頭上へ伸ばしていた。

/ 213ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp