第2章 たった1人でのゴールデンウィーク合宿
でもまぁ、と澤村が続ける。
「マネージャーと部員の仲が上手くいってないのは実際問題だよな…」
入部して以来、美月は一生懸命マネージャーの仕事をこなしていた。
真面目だし、素直に清水の教えを吸収する姿には感心していた。
しかし一方で、
美月が部員とぎこちない様子なのを気にしていたのも確かだ。
澤村は美月の部活での姿を思い起こしながら頷く。
「うん、河北さんに対しては怖がらせないように接すること!
特に東峰」
「えぇっ!?俺ぇ!?」
「お前はただでさえ図体でかいんだから、仲良くなれるよう努力しろよ?
…つーわけで、2年も風呂行ってこい!」
「「「「「はいっ!!」」」」」
澤村の号令でバタバタと2年が風呂へ向かう。
「ったく慌ただしいなー。あ、月島…って、どした?」
困り笑顔で2年を見送った菅原が、入れ替わりで戻ってきた月島を見て声をかける。
月島の表情はいつにもまして不機嫌顔だった。