第2章 たった1人でのゴールデンウィーク合宿
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「これは一体…どういう状況だ?」
風呂を終え戻ってきた3年組は、大広間の異様な光景に立ち尽くした。
広間中央に立つ日向と2年組。
説明を求める澤村の声にも気付かず…
「もっと背を低くしてください!!」
「「「「「おう!!」」」」」
「そしてにっこり笑顔で!はい!『今日は天気がいいね』!!」
「「「「「きょっ…『今日は天気がいいね』!!!!!」」」」」
2年組(西谷以外)の不器用な笑顔に3年組は顔をひきつらせる。
「おい山口!あれなに!?」
「す、菅原さん…
なんか、田中さんが河北さんに好かれる対策を伝授してもらうとか言って始まって…」
「お!?旭さんっ!風呂終わったんすね!!」
身体の大きい東峰の姿が西谷の視界に入る。
その声で美月対策に夢中になっていた一同も3年に気付いた。
「あ!おかえりなさい!風呂交代の時間っスかー?」
「そうだけど…田中、お前たちも。
ここ大部屋だぞ?あんまうるさくすんな。
山口も影山も隅に追いやられてるし」
困った顔で言う澤村に山口はうんうんっと頷く。
一方、影山は大して気にしていなかったようで
突然自分の名が呼ばれたことに首をひねりながら「うす」と答えた。