第2章 たった1人でのゴールデンウィーク合宿
なぜ自分がこんなにもいらだっているのか、
月島には理解ができなかった。
理解したくない、という思いもあるかもしれない。
合宿所内、一階にある自販機に来ると、
月島は食堂の方からかすかに音がすることに気付いた。
音に導かれるまま食堂へ行くと、美月がじゃがいもの皮をむいていた。
「何してんの」
「ひえっ!?わっ」
後ろから突然声をかけられ、美月はじゃがいもを滑らせてしまう。
「あ、あぶな…手、切るとこだった」
「こんな時間に怪しいことしてるからでしょ…」
手が無事であることを確認すると、月島はため息をついた。
「怪しくないよ…私にできることしてるだけ」