第1章 烏野高校バレー部、始まる
日向はその日、バレー部に早速入部届を出した。
放課後の練習から参加する彼とは帰りを共にすることができず
入学式後、美月は1人で学校から家へ、朝通ったあの途方もない坂を下った。
朝決心した通り電動自転車をなけなしのお小遣いで購入し、
明日に備えて素早くお風呂、歯磨きと寝る準備を整えた。
クラスは違うし帰りはバレー部の練習があるから一緒に帰れないけど、
せめて行きは一緒に…。
そんな健気な美月の気持ちを粉々にする電話が鳴る。
「ごめん美月!明日からしばらく一緒に朝行けない!
超早く起きて学校行かなきゃだから!!」
電話が切れた後も
日向の“一緒に朝行けない!”という言葉がいつまでも頭に響いた。