第2章 たった1人でのゴールデンウィーク合宿
「皆さん練習お疲れ様ですっ」
「おう!お疲れー!」
出迎えた美月にすぐに答えたのは日向。
次に影山が続き、月島は美月と目を合わせることなく、小さく返す。
彼ら以外の部員たちはというと、美月の姿を見て詰まらせつつ返事をした。
「ノヤっさん…エプロン姿で出迎えられるってなんかこう…
グッとくるものがありますね!」
「そうだな龍!今回は潔子さんに加え美月もこの合宿に華を添えてくれるんだと実感した!」
喜びに握手を交わす2人は菅原により清水が家に帰る旨を聞かされると
廊下にうつ伏せで倒れてしまった。
(やっぱり清水先輩には帰って頂いて正解だった…!)
ほっと胸をなで下ろした美月に月島が声をかける。
「夕飯、君が作ってるの…?不安で仕方ないんだけど」
ふっと最後に笑いを交えてお得意の煽りを披露する。
煽り耐性のない美月が言い返そうとしたのを日向が遮った。
「月島知らねーの?美月の料理超うまいんだぞ!」
日向の家と美月の家は家族ぐるみの付き合いの為、夕飯を共にする機会も何度かあった。
そこで日向は美月の手料理を口にしていたのだ。
月島は日向の『知らねーの?』という言葉に眉をひそめた。
「…知るわけないじゃん、ばかじゃないの?」
「ばっ!?」
ばかって言うなーっ!!と飛び跳ねながら反論する日向を
うるさいなーと月島は軽く受け流していた。