第2章 たった1人でのゴールデンウィーク合宿
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美月、清水、武田の3人は夕飯の準備の為、他の部員たちより早めに合宿所へ来ていた。
そこで武田の驚くべき料理センスを知ることになる。
「先生、手際良いですねぇ」
武田の手元をのぞき込んで、美月は感心する。
先生は照れたようにありがと、と返したが同時に美月の切った野菜を見て目を見開いた。
「河北さん…いつの間にそんなに切ってたの…!?
しかもサイズが揃っててすごく綺麗!」
ずり落ちたメガネをおさえながら先生が言う。
その声に他の料理を作っていた清水も様子を見に来た。
「ほんと、上手。美月ちゃん料理得意なんだ」
「そっ、そんなことないです!
普段自分でお弁当作るから、慣れてるだけで…」
2人に見つめられ戸惑っていると、
合宿所の玄関の方が騒がしくなった。
練習を終えた部員が合宿所にやって来たのだ。
「わ、私、皆のこと迎えに行ってきますねっ」
美月は逃げるように調理場を出て行った。