第4章 インターハイ、秘密の応援策
やってきた伊達工生は東峰に向けた指を下ろさせるため、必死に腕を掴み下へ引っ張る。
「すみませんっすみませんっ!二口手伝え!!」
びくともしない腕に出てきた助っ人は、にっこりと笑顔だ。
「はーい。すみませんコイツ、エースと分かるとロックオンする癖があって」
二人がかりで腕を下ろさせると、伊達工はそのまま強面の男子の背中を押し撤退。
二口と呼ばれた男が振り向きざまに
「だから今回も、覚悟しといてくださいね」
と吐き捨てた。
伊達工が去り、美月は安堵のため息をつく。
「こ、怖かった…」
「いやぁちょっとびっくりしたなぁ。よく目そらさなかったな旭…、?!」
菅原が伊達工相手に一歩も引かなかった東峰を称え、声をかけると、
彼の瞳は虚空を見つめ、体はわずかに震えていた。
「きっきんちょうした…ッ」
「なんでコートの外だとそんなに弱いんですか!」
「ノヤッさんオブラートォ!!」