第4章 インターハイ、秘密の応援策
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帰り道で最後に一緒になるのはもちろん日向。
この辺りは明かりが少ない。
帰る方向が一緒なのもあるが、部活の後はいつも家まで送ってくれる。
美月がバレー部のマネージャーになると聞いた際、帰りが遅くなることを心配した美月の母が唯一日向に頼んだことだ。
夕飯の時間も過ぎた今、自分たちの声と足音だけが際立つ。
「なぁ、なんで俺のミサンガはオレンジと白?」
ふと気になったようで、足首につけたそれを指差しながら聞かれた。
「う~ん、なんでと聞かれると…イメージとしか」
その人のイメージカラーで、他の人とかぶらないよう意識して編んだ。
なぜと改めて聞かれても大部分は直感なので答えにくい。
「そういえばなんでだろう?」と頭をひねって理由を考えてみる。
「ほら、オレンジは元気な感じがして似合ってるし!あとは…、翔ちゃんって太陽みたいだから?」
それっぽい理由にたどり着いたが、日向はじっとこちらを睨む。
「それ、絶対名前と髪の色だけで思いついただろ」
「え」
(そう言われると…?)
「って、違うよ!!翔ちゃんが太陽みたいなのは髪と名前だけじゃなくって、
周りにいる皆を明るくさせちゃうところとか、笑った顔とか、あと真っ直ぐな所とか
いろいろあって…」
そこで口が止まる。
日向が顔を赤くさせていたから。