第4章 インターハイ、秘密の応援策
「すげー!!これ1人で作ったのか!?」
「器用だなぁ~」
「ベタとか言わないよ!超嬉しい!!」
(わっ…!皆、喜んでくれたっ)
嬉しくて、褒められたのが照れくさくて、美月は赤面する。
「なー、これ好きなの選んでいいのか?」
西谷が興味津々覗き込んできた。
「あっ、それぞれのイメージカラーで編んでるので、私から渡していきますねっ」
袋の上の方にあるミサンガから配っていく美月。
受け取る側の反応は様々だ。
「ふーん、隠してたのはこれね」と小さく口角を上げた月島。
「こんな手の込んだこと…ありがとな」と目を潤ませる澤村。
「肌身離さずつけとくな!」と早速足に通した西谷。
部員の喜ぶ顔を見て、美月はこの数日間の苦労が報われた気持ちになる。
(皆に喜んでもらえて、よかった…)
空になったミサンガの袋を、きゅっと胸に抱きしめた。
「っし!一回戦、絶対勝つぞおおおおお」
「「「「おおおおー!!!!!!」」」」
キャプテンに呼応し雄たけびを上げる部員達。美月も一緒になって声を上げた。