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【ハイキュー原作沿い逆ハー】空飛ぶカラス

第4章 インターハイ、秘密の応援策




「なに隠してんの」
「っ!!!」


後ろからの声にボールを落とす。
慌てて拾い、そっと振り返った。

「ここ最近ずっと様子変だったけど、今日は特に酷いね」
「つ、月島君…突然後ろに立たないでよ」

探るような目から逃れるよう、美月は視線を逸らす。

「別に君が何企んでようとどうでもいいけど…怪しすぎ。もうちょっと上手くやったら?」
「うっ」


(どこまで見透かしてるんだろ…)


「おいこら月島ぁ!!!美月は今から俺のスーパースパイクを見るのに忙しいんだよッ!邪魔すんな!!」


叫び声に振り向けば、田中がスパイク練の列の先頭に立っていた。
「はいはい」と月島が練習に戻る。

見てろと宣言し放ったスパイクは“スーパースパイク”と豪語するだけのことはあり、
着地したボールの音が体育館に大きく響いた。

「田中さんすごいっ」
「っしゃぁおらあああ!」
「調子乗んな田中!!!」


監督の叱りも耳半分で、田中は西谷とグータッチ。


「インハイ前でも普段と変わんねーのはまぁ、アイツの長所か」
大地が苦笑いをこぼす。
「変わんなすぎて少しは緊張感持ってほしいとこでもあるけどな」
菅原は屈伸しながら大地の言葉に返す。

「…スガ、そういうお前は緊張してんの?」
旭が問う。

「当たり前だろ?…最後のインハイだ」
「…あぁ」
「だな…」


最後のインターハイ。
バレー部3年の彼らにとってそれは、自分たちを熱く奮い立たせる言葉だった。



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