第4章 インターハイ、秘密の応援策
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「なぁノヤ、今の子誰?一年?」
呼び出しをくらった2人で教室に向かう道すがら、問われる。
西谷は自慢げに答えた。
「おう、部活の後輩だ。マネージャー!」
「ふーん、かわいい子が入ったんだなぁ。
お前がいつも騒いでるあの…清水先輩?とは、違うタイプ」
“違うタイプ”。そう言われて西谷はマネージャー二人の姿を思い浮かべる。
清水については部活を見守ってくれている時の凛とした立ち姿。
美月については「お疲れ様です!」の笑顔や部室で見た寝顔。
(タイプ…潔子さんは普通に女神だしな。美月はなんつーか…
こないだ部室で寝てたのとかで言うと、天使?)
「ん…つか潔子さんはもはや潔子さんという独自のジャンルを確立してるしな!全然違うだろ!」
真理に辿り着いた西谷が堂々と胸を張って言うと、隣のクラスメートは思い切り吹き出す。
「はっ!ほんと好きなんだなー。
まぁどっちのタイプにしろ、バレー部のマネはレベル高くて羨ましいわ。
ノヤが清水先輩いくなら、あの1年ちゃんの方、紹介して…」
吹き出した勢いで、半分冗談としつつも笑顔でおねだりしてみたクラスメートだったが、
西谷のあまりの表情に口元が引きつった。