第4章 インターハイ、秘密の応援策
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片付けを終え、女子更衣室に戻って来た美月と清水。
そこで美月は“とっておき”の一部を披露した。
「これ…ミサンガ?」
鞄から取り出した布袋の中には
色とりどりのミサンガが入っていた。
「もしかして、部員全員分?」
「はい…一応。まだ全部は作れてないんですけど」
清水は大きな瞳を更に大きくした。
「すごい…いつの間にこんなに作ってたの?」
「えと・・・作り始めたのは合宿終わりからです。
音駒との試合に感動して、皆と一緒に戦うにはどうしようかなって考えて。
ありきたりですけど、これにしました」
ミサンガは1つ1つ、色の組み合わせが異なる。
部員それぞれのイメージカラーで編んだのだ。
「ベンチには清水先輩に座ってほしいです。
私はいつもより遠くから応援する形になりますけど、
このミサンガを皆につけてもらえたら、気持ちは側にいれると思うんです」
布袋の中、そのうちの1つを清水に差し出す。
「あの、これは清水先輩の分なんですが…受け取ってもらえますか?」
白と紺の糸で編まれたミサンガ。
(こんなことして、重いかな…)
少し不安もあって俯いていた美月は、
優しい香りに包まれた。