第4章 インターハイ、秘密の応援策
――――――――――――――――――――――――――――――――
『ちょっといいかな』
放課後練習後、いつになく真剣な武田先生に声をかけられた。
後をついていく途中武田先生は清水にも声をかけ、
3人で烏養の元へ来た。
(改まって話?なんだろ…)
後ろでは片づけをしている日向たちの賑やかな声が聞こえ、
体育館の片隅で顔を突き合わすこの4人とは対照的だ。
烏養は気まずそうに頭を掻く。
「あー、なんだ。お前らも分かってるとは思うが…
公式戦、ベンチに座れるマネージャーは1人だ。
んで、今回のインターハイ、ベンチには清水。お前に入ってもらう」
あ、そのことか…と、美月はいつかされると思っていた話に
特別驚きはしなかった。
公式戦のルールを知っていれば分かり切ったこと。
そして選ばれるのは清水に違いないということもしっかり理解していた。
「わかりました!観客席からしっかり応援します!」
「美月ちゃん…」
清水が何か言いたげに美月を見つめる。
(清水先輩は優しいな…
でも、ベンチにいるべきは今まで部を支えてきた清水先輩だ)
美月はにっこり笑うと、清水にそっと耳打ちした。
「清水先輩!私、とっておきを用意してるんです…!」
「え?」