第4章 インターハイ、秘密の応援策
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昼になり、美月は購買に向かう。
今日は珍しくお弁当を作って来なかった。
向かう途中、人垣の奥に良く知る後姿を捉える。
「影山君っ」
声をかけると振り向いた彼は、美月がそばに来るまで待ってくれた。
「おす」
「影山君も購買?なに狙い?」
「カレーパン」
「カレー好きだね!私は何にしようかなぁ」
購買に到着すると、そこには人、人、人。
昼食を求める生徒で溢れかえっていた。
「…これが嫌だから出来るだけお弁当にしてるんだよなぁ」
とは言え、今朝は疲れが溜まっており自らお弁当作りを放棄したのだ。
この荒波を越えなければ昼食は手に入らない。
慣れない人の波に突っ込もうとする美月だったが、
その手前であえなく押し返される。
「きゃっ」
よろけた体は影山に受け止めてもらった。
「ご、ごめん!」
「…マネージャーは何狙ってんだ?」
「?サ、サンドウィッチ…たまごとハムの」
「そこで待ってろ」