第4章 インターハイ、秘密の応援策
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「美月~~!!心配したよばか~~っ!」
朝練を終え教室に入ると、数人からタックルで出迎えられた。
いつも行動を共にする友人達だ。
「ご、ごめんね昨日は…!ちょっと部室で眠っちゃって…」
「言い訳は昨日メッセージでたくさん聞きました!もう何も言わずに消えるのはやめて!」
「うっ、ごめんなさい…」
昨日、美月は友人たちの前から突然姿を消した。
その真相は部室で居眠りしていたという単純なものだが、彼女たちにとって美月の謎の失踪は大問題。心配をかけた罪は重い。
美月は愛ある説教をしっかりと受け止め反省した。
4月に出会ったばかりの友達だが、こんなにも心配してもらって
本当に自分は友達に恵まれていると思う。
やっとハグから解放してもらうと、話は月島のことに及ぶ。
「そうそう。格好良かったよ、昨日の月島君!」
「へ?」
「美月 捜して校内走ってたら見かけてね、
声かけたら“僕も美月のこと捜してるから!”って!
きりっとしちゃってさ~まるで王子様!」