第4章 インターハイ、秘密の応援策
そこで、美月はハッと気が付いた。
(月島君が笑ってたのって…、もしかして、
私の友達のことが好きだから…!?)
記憶を辿ると、そういえば彼はしきりに私の友達のことを気にしていた気がする。
私の友達自慢を嬉しそうに聞いていたのも、実は彼女のことが好きで…?
「そ、そういうことかぁ…!」
「は?」
1人で解決してしまった美月はチラリと月島を窺う。
先を歩く月島は山口の話に適当な相槌を打っている。
あの淡白な月島が、笑顔になってしまう相手がいるなんて。
しかもそれが私の友達!
おそらく自分しか知らないであろう秘密を知ってしまい、
美月はにやにやとするのを止められない。
「マネージャー…気持ち悪い顔してるぞ」
「!な、なんでもないよっ」
影山に突っ込まれ、慌てて頬の緩みを抑える。
(こういうのは本人にとって大切な秘密だ。ばれないようにしなきゃ!)
きりりと表情を引き締める美月。
「…なぁ。何話してたんだよ?」
「それは秘密!」
「はぁ?」
影山は深まる謎に更に首を傾げていた。