第4章 インターハイ、秘密の応援策
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今日も練習は遅くまで続き、定番の寄り道に皆で向かう。
西谷と田中の漫才のような話を横で笑って聞いていると、
スッと隣に影山がやって来た。
「ふふっ…ん?どうしたの?」
場にそぐわない深刻な表情をする影山。
気になって声をかけた。
彼はキョロキョロと辺りを見回すと、声を潜めながら答えた。
「今日の部活中、妙なもん見ちまって」
「うん?」
「月島の笑った顔」
美月は目を丸くし、次の瞬間吹き出した。
「な!?笑いごとじゃねぇよ!」
「ぷっ、あははっ!だって影山君、お化けでも見たような言い方なんだもんっ」
笑い者にされた影山はカーッと顔を赤くする。
「おいばかそれ以上笑うな!うるさい!!」
「くっ…ふふ、ごめん」
「ったく…。アイツ、お前と話してる時に笑ってただろ。何話してたんだよ」
(“何話してた”…?)
今日の出来事を思い返す。
(確か、月島君が笑ったのは私が友達の話をした時で…)