第4章 インターハイ、秘密の応援策
「そういえば友達…女バレの。
君が戻って来ないって心配してたから連絡入れときなよ」
美月の目が見開かれる。
(そっか…!私、教科書取りに行くって言ってそのまんまだ…うわぁ最悪!)
急いで連絡しようとスカートのポケットに手を入れる。
が、中は空っぽ。
「…!?荷物、全部教室…!」
月島は青ざめる美月の横を「じゃ、僕は部活出るから」と
含み笑いで去っていく。
「私だって出るよ!」と言いたいところだが、まずは自分を心配してくれている
大切な友人に連絡をとらなければ――。
美月は自分の両頬を両手で叩くと、教室へと全力疾走するのだった。