第4章 インターハイ、秘密の応援策
人手が多いに越したことはないが、彼女がどこかに行ってしまったのは自分のせい。
自分で彼女を見つけ出したかった。
有無を言わせぬ月島に、美月の友人であるその子は渋々と言った様子で頷いた。
「…任せたわ。宜しく頼むね」
彼女が部活へと去っていき、さてどうするかと月島が一歩身じろぎした瞬間、
「美月が戻って来ないってどういうことだ」
不安と焦りが入り混じったような表情で日向が月島の腕を掴んだ。
(…あーあ、まずいやつに聞かれてた)
自分が美月を見つけたかったが、今の話を聞いた日向が引くわけがない。
小さくため息を吐くと、月島は日向の手を無理やり振り払った。
「聞いてた通りだよ。5限目から美月がどっか行った」
「はぁ!?」
「保健室も屋上も中庭も、思いつくとこは行ったけどどこにもいない」
説明すれば日向はうーんと唸って考え込み始めた。
その様子にまたイライラが再発する。
これじゃぁどこを探せばいいのか、日向に頼ってるみたいだ…。
もういい、と言おうとした時、日向がパッと顔を上げた。
「だったらあそこは!?」