第4章 インターハイ、秘密の応援策
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「あ、月島ーなにしてんの?山口探してたけど」
思いつく限り探し回って、最後に来たのは“あいつ”の所。
各クラスのホームルームも終わり、
廊下はこれから帰宅する者、部活に行く者で賑わっている。
「美月、来てない?」
その中の一人、――日向に問うと、彼は「は?」と首を傾げた。
「美月?美月になんかあっ「月島君―っ!」
日向の声が遮られる。
駆け寄ってきたのは見たことのある顔。
(女バレの…美月の友達)
今朝、美月と楽しそうに話していたメンバーの一人と気付き、
月島は眉間に皺を寄せた。
「…なに?」
「あっ、あのね、月島君、美術の授業ちょっと遅れてきたじゃん?
それで、美月のこと知らないかなって。あの子美術の教科書とりに戻ったきりいないからさ…」
真面目で授業をサボるようなタイプでは無い美月。
そんな彼女が2コマも授業に出てこないのだから、心配するのは当然だ。
肩で息をしながら聞いてくるこの子も、相当校内を探し回ったんだろうと思った。
「僕も捜してるから、とりあえずあんたは部活行きなよ。女バレだろ」
「でも…」
「見つけたら本人からあんたに連絡するよう言っとく」