第4章 インターハイ、秘密の応援策
「あら、どうしたの?」
保健室の扉を開けると、養護教諭の女性が一人机に向かっていた。
「1年4組の女子生徒が来ませんでしたか」
「4組の女子…?今日は来てないけどなぁ」
パラパラと診察者リストがめくられる。
どうやら月島の目当てはここにいないようだ。
「そうですか…」
扉を閉め、廊下で頭を巡らす。
(どこ行ったんだ。あいつが行きそうな場所…
屋上、食堂、中庭、“あいつ”の所…)
ため息を1つ廊下にこぼすと、その足を来た道とは逆に向ける。
(片っ端から行くか)
窓の外、グラウンドには仕舞い忘れのボールがぽつんと転がっていた。