第4章 インターハイ、秘密の応援策
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6限目の終わりを告げるチャイム、と同時に
勢いよく教室の扉が開かれた。
現れたのは黒いオーラを纏った月島。
つかつかと廊下に出ると、その足は保健室に向かう。
(アイツ…。とうとう6限目にも戻って来ないってどういうつもりなわけ)
美月が教室を飛び出した後、呆然としてしばらくそこを動けなかった。
はっとして時計を見るともう授業が始まって5分程経っており、今更追いかけるのもプライドが許さなくてそのまま美術の教室に向かった。
しかし5限目が終わっても彼女は教室に姿を現さなかった。
それでも自分が彼女を探しに行くのは嫌で、どうせふらっと戻って来るだろうと無心になって授業を受けた。
1日の最後の刻限である6限目。半分程の時間が過ぎた時にはイライラの限界。
いつまでサボってるつもりなんだ、
なんで僕があいつの心配なんかしなきゃいけないんだ、
どうしてあの時すぐに飛び出す彼女を止めなかったんだ、
そんなに僕に近寄られたのが嫌だったのか――
飛び出した美月の後姿が脳裏に焼き付いて離れない。