第4章 インターハイ、秘密の応援策
「今朝大声で話してたことで言いたいことあったから」
(今朝大声で…?…って、)
「きっ、聞こえてたの!?」
今朝、ホームルーム前に友達と話していた内容を思い出した美月。
確か月島の彼女とか好きな人がいるかいないかとか・・・
「あんな大声じゃ聞こえるに決まってんでしょ。
僕をネタに騒がれるの、迷惑だから」
「も、申し訳ございません…」
「それと、僕の彼女に勝手になるのもやめて」
「はい、申し訳ないです…」
「で、本当は誰が好きなわけ?」
「はい、それは…へ?」
垂れていた頭を上げると、「あ、引っかからないか」と舌打ちされ、
思わず口をぱくぱくさせてしまう。
「どさくさに紛れて何をっ」
「人をネタにした仕返し。と、単純に興味。ねぇ、どうなの」
ずいずいと近づいてきた月島から逃れるように後ずさるが、
背中が壁に着いて行き場を失った。
「ほら答えなよ。今言えば他の人には秘密にしとくから」
「ええ!?言うって選択肢しか無いの!?」
「とにかく言いなって」