第4章 インターハイ、秘密の応援策
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翌日、朝のホームルーム前。
1年4組では、
扉近くの席に美月とその友達数人が集まっていた。
「今度の壮行会ほんと緊張するわ~」
「1年は立ってるだけっしょ?」
「立ち方が変じゃないか気になってダメそう!」
同じクラスで女子バレー部に所属する一人が弱音を吐く。
なにそれーと一緒になって笑っていると、
すぐ近くの扉がガラリと開かれ、
先生が来たかと目を向ければ、現れたのは朝練を終えた月島と山口だった。
美月も参加する朝練だが、教室に戻るのはいつも別々なのだ。
「お疲れさまっ」
「お疲れ!」
「…ん」
月島のは呟きに近いボリュームだったが、応えてくれるだけマシだろう。
皆の方に向き直ると一様にニヤニヤとした目で見られた。
「な、なに…?」
「いやー!あの月島君とまともに会話できるなんて女子じゃ美月くらいじゃん?
うらやましいなぁって!」
「身長高いしかっこいいし、隠れファン多いよねぇ」
盛り上がる友人たちの会話についていけない。
大体、同じ部に所属しているのだから会話が出来るくらい普通では?と思ってしまう。
「まぁ美月なら月島君の彼女でも、お似合いだから許すけど」
「かっ!!!!????」