第3章 カラスとネコと
――――――――――――――――――――――――――――――――――
片づけを終えると、空はすっかり夕暮れ模様に。
体育館の前で、烏野と音駒は別れの時を迎えた。
「「友よぉおおおまた会おううう」」
田中と山本は涙を流し別れを惜しんでいるし、
澤村と黒尾はまた怖い笑顔で挨拶を交わしている。
賑やかな別れに苦笑いしていると、肩をとんと優しく叩かれた。
「!どしたの?」
振り向くと、気まずそうな顔をした研磨が立っていた。
その表情で美月はピンと来る。
「さっきの『オカン』問題についてなら、もういいよ!
なんたって私は『面倒見の良いマネージャー』なのだから!」
ふふんと得意げに胸を張るが、研磨は「あ、うん」と答えただけで変わらず俯いている。
研磨の意図が分からずもう一度「どうしたの?」と問うと、ようやく顔を上げてくれた。
「クロが…ちょっかいかけてごめん」