第3章 カラスとネコと
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「清水先輩ー!ごめんなさいっボトルありましたー!」
体育館の隅っこにある洗い場へ戻ると、清水は既に他のボトルを洗い終えていた。
「あ、よかった無くなってなくて」
「日向が見つけてくれました!すぐ洗いますね!」
蛇口をキュキュッと捻り、ボトルの中をしっかり濯ぐ。
「菅原が探すの手伝ってくれてたみたいだね」
「!あの大声、こっちまで聞こえてたんですね…!」
「うん、ばっちり」
ボトルをバッグに詰めながら、清水がくすりと笑う。
「美月ちゃんのこと、私含め皆可愛くて仕方ないから、
誰かすぐ手貸すだろうなぁとは思ってたんだけど。菅原が一番乗りだったんだ」
「え…」
美月はびっくりしてボトルを持ったまま固まってしまう。
蛇口から流れる水がボトルを満たして、口から噴水のように溢れた。