第3章 カラスとネコと
「あっ、私ちょっと外すね!」
2人を置いて向かった先は、猫背の彼。
「研磨っ」
研磨は自分が笑顔で駆け寄ったのとは対照的に、
なんだかげっそりした表情をしている。
「…?どうかしたの?」
「…うしろ」
言われて研磨の後ろを覗くと、影山が物凄い形相でこちらを見ていた。
「ひぇっ!?な、なんかしたの…?」
「いや、多分何も…。あ、でも」
ちらりと研磨がこちらを窺う。
「美月来てから更に視線が痛いかも…」
そう言って研磨はため息をついた。
(私が来てから…?なんで??
よくわかんないけど…)
「研磨、ちょっとそこで待ってて」
うちの部員が他校の部員を威圧してるなんて、よろしくない。
そう思った美月はずんずんと影山の元へ向かった。