第1章 烏野高校バレー部、始まる
日向の叫び声によりバレー部全員に見つかってしまった美月は、
まるで捕虜のような状況に陥った。
日向の幼馴染であることなど自己紹介をすると、
バレー部のメンバーも丁寧に自分たちのことを教えてくれたのだが…
「へーっ!日向の幼馴染なんだぁ」
「ひっ、日向のやつ…こんな幼馴染がいるとは!」
「田中はなに嫉妬してんの?」
菅原、田中、澤村に囲まれ、美月の頭はもうパニックだった。
なにせ普段日向とばかりいる分、
普通の背丈でも美月にとって男子高校生の体は大きく感じる。
挙句、そんな人たちにわらわら囲まれる状況は滅多にない。
(体大きい…壁みたいだ…怖い)
助けを求めて日向に視線を送るが、
「無理って言ったのに…」
「ま、まぁまぁツッキー」
「え?なんでっ?月島と山口、美月と知り合い??」
「同じクラスだからね。今日試合があるの教えたのも僕」
「ええーっ!美月、こんな性格悪い奴と友達だったのか…」
「それ失礼じゃない?ていうか友達じゃないし」
美月にとって頼みの日向は月島と山口との会話に夢中だ。