Fall in love with you【R18】
第5章 five
「嶋田お前さ、さっきから何なんだよ。言いたいことあんなら言えよ。」
さっきから浮かない顔をしている嶋田に唐揚げを1個、口の中に放り込んでから訊ねた。
「別になんも。」
「じゃあさっきあいつと目で何話してた。」
俺が突っ込むべきところじゃないのは頭では分かってる。でも聞かずにはいらんねぇ。
「ごめんね、って謝っただけだよ。」
それが本当の答えじゃないことは分かってた。だから重ねてもう一度聞こうと口を開いたとき「ただ、」と言葉を続けた。
「繋心があの子を捨てるようなら、俺がもらうから。」
話の流れも、文脈もあったもんじゃない。
唐突に突きつけられたのは俺に対する宣戦布告のようなもので、それでいて脅しのようだった。
「ごめんな、たっつぁん。俺先帰るわ。」
ペシリとテーブルに札を置居て座敷を降りると、タイミングよく来た藍原の頭をくしゃりと撫でて帰っていった。