Fall in love with you【R18】
第5章 five
睨みをきかせながら詰め寄れば観念した様に大きく息を吐き出した。
「この前優稀ちゃんがうちに買い物した時に襟元から見えたんだよ、キスマが。だから俺が根掘り葉掘り聞いちゃった。」
「聞いちゃった、じゃねぇよ!ふざけんな!」
「いーじゃんか、減るもんでもねぇし」
「うるせー!」
このイライラは所謂自分のモンに手出されたからであって、そう、独占欲とかいう奴だ。
決して嫉妬とかヤキモチとか言うものでは無い。
「とにかく、あいつに手ぇ出すな。」
頭をガシガシと掻きポケットに手を突っ込んで歩き出した。
俺の中でハルを想う気持ちと藍原を想う気持ちが混在してごちゃごちゃになってやがる。
くそ、あいつを抱いた日からずっとこうだ。
好きになる努力はする。
でも俺の中の一番はあいつ。
心にそう決めたとき、ちょうど『おすわり』に着いた。
「いらっしゃいませー!あ、烏養さん!」
「…おう。」
不思議だ。
さっきまであんなにムカムカしてたのに、藍原の声を聞いたらそれがスッって無くなった。
あー…訳わかんねぇ。