Fall in love with you【R18】
第5章 five
ー藍原ー
嶋田さんの話を聞いて思ったのは“やっぱり”だった。
時々何かを思い出したように細められる目。
さみしそうな横顔。
それは全部、
『ハルさん』を想ってだったんだ。
烏養さん、その人のことも抱いたのかな?
あの大きな手で、
少しカサついた唇で、
鍛えられた身体で
その人に愛を伝えたのかな?
考えれば考えるほど、思考は悪い方へと進んでいく。
そんなの…いやだ。
でも、烏養さんが他の誰かを好きでも
烏養さんが欲しいって思ったのは事実。
好きなのに
どうしてこんなにつらいんだろう。