• テキストサイズ

Fall in love with you【R18】

第5章 five



ー嶋田ー








不自然なほどピタリと止まった動作。


彼女は、今なんて…


「『ハルさん』て人、ご存知ですよね。」


今度は質問ではなく確認するような聞き方。


その様子だともう気付いてるんだよね?


「…繋心の元カノの名前だよ。」


そう告げると優稀ちゃんの顔が悲しそうに歪んだ。


「そんな気はしてました。」


「…ハルのこと、繋心から聞いたの?」


そっと訊ねると弱々しく首が振られて、俯きながらだけどちゃんと話してくれた。


無意識でだろうけどそう呼ばれた、と。


俺の予想が当たっているとしたら、恐らく…


もしそうだとしたら、聞いてはいけない。


そんな気がした。


「烏養さんはまだ…すみません、何でもないです。」


席を立ち上がると荷物を持ちペコリと頭を下げた。


「忙しいのにすみませんでした。烏養さんには内緒でお願いします」


それだけ言うと彼女はバックヤードを出ていってしまった。



その場に残ったのは静寂と彼女のハンカチのみ。






/ 191ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp