Fall in love with you【R18】
第5章 five
泣いて腫れてしまった瞼を冷やし、メイクで誤魔化した。
そして決めたんだ。
嶋田さんに『ハルさん』のこと聞いてみようって
烏養さん本人から聞くにはまだ勇気が足りない、でも知りたい。
そしたら嶋田さんに頼る他なかった。
「行ってきます…」
誰もいない家に挨拶して少し気温の下がり始めた通学路を歩く。
あんなことがあったって、
きっと今日も烏養さんを好きになる。
学校に行って、いい子ちゃんして
東峰達と駄弁って、掃除の時に先生の目を盗んで烏養さんに連絡を入れる。
今日は部活見に行けません、て。
それでも烏養さんには会いたいから体育館には顔を出す。
「烏養さん!」
「おー身体は大丈夫か?」
「ちょっとだけ腰痛いです。でも平気!」
「そうか、気ィつけて帰れよ?」
扉の近くにいた烏養さんに小さく声をかけたら、烏養さんも周りに聞こえないくらい小さな声で返してくれた。
うん、やっぱり好き。
何回だって、何十回だって好きになる。