Fall in love with you【R18】
第5章 five
まだ辺りが薄暗い時間に目を覚ました。
目を開けて部屋を見回しても隣に烏養さんの姿は無くて、あるのは彼が私を抱いたという形跡と彼の匂いのみ。
途端に広がる虚しさと、寂しさ。
思い出されるのは繋がれた幸せな気持ちとは正反対な苦しい気持ち。
『ハルっ…』
なんて愛おしそうに呼ぶんだろう
私はまだ苗字ですら滅多に呼ばれないのに
さみしい、さみしい、さみしい
「寂しいよ…烏養さん…」
零れ落ちる涙が腕を伝ってタオルケットにシミをつくった。
「っく、ふ…うぅ…っ、烏養さん…」
心が悲鳴を上げてる。
苦しいよって
痛いよって
このままじゃ、胸が張り裂けてしまいそう。
「あいたい…っ…」
誰か、この痛みを止めて