Fall in love with you【R18】
第3章 third
「謝って済む問題ではないって分かってます。けど、ごめんなさい。」
いつもの何言われても臆さない藍原の姿はそこには無く、目の前にいるのは何かに耐えるように服の裾を握って頭を下げる女の子。
ほんっと、調子狂う。
「あのな、」
「もう、烏養さんのこと追いかけるのやめます。」
「は?」
「今まで迷惑かけてすみませんでした。」
はっきり述べられたその言葉に俺の思考は停止して掛ける言葉すら見当たらない。
バッと顔を上げ、急に走り出した藍原。
何だよ、言い逃げかよ
ふざけんな。
言い逃げした藍原を体力の落ちた身体に鞭打って追いかけた。
「おいてめっ、逃げんなッ!!」
藍原の家に着く直前にようやく捕まえて振り向かせると、藍原の目からポロポロと涙が零れ落ちていた。
それに驚いた俺にはもう怒りなんて無く、別の気持ちが湧き上がる。
愛おしい、なんて。