Fall in love with you【R18】
第3章 third
お疲れ様ー!と店の中から声がして入口に目を向けるとあいつらしき人影。
ガラッと扉が開き、下を向いていた視線が上がる。
パチリ、と視線が合わさって藍原の目が大きく開かれた。
「烏養、さん…」
「送る。少し話しよーぜ。」
そうは言ったもののいざ2人限りになると謎の緊張で言葉が出なくなる。
ふと横を見るとこの前送った時よりも距離が出来ていてなんだか切なくなった。
「お前さ、いつもこんくらいの時間までやってんのか?」
「えっ、あ。はい。」
「そうか…。」
ちげーだろ俺。俺が言いたいのはそんな事じゃなくてもっと、別の…
「烏養さん。」
「うぉっ、おう。なんだ?」
びっくりした心臓飛び出るところだった。
「この前は、すみませんでした。」
立ち止まった俺に、深く下げられた頭。
何の事か分からず、思わず首を傾げそうになってここ数日の記憶をできる限り思い出そうとした。
「勝手にキスしたりして」
まあ思い出すまでもなく言われてしまったが。