Fall in love with you【R18】
第3章 third
「それにあの子だって、年上と付き合うことのリスクくらい分かってんべ」
愛用のメガネを拭きながらポツリと呟かれた言葉に俺は言葉を返さなかった。
「おっと、やべ。時間だから帰るわ」
じゃーな、とゲリラ豪雨のように突然やって来た友人はこれまた突然に帰って行った。
「どーしたいのかねぇ、俺は…」
紫煙とともに吐き出された言葉は空気に溶け込み消えてしまった。
あいつがバレー部に顔を出さなくなって3日目の部活。
「さわむらー!」
2日ぶりに聞いたあいつの声に心臓がドキリと音を立てた。
「お?藍原じゃないか。どうした?」
「武田先生から頼まれた!後よろしく!」
「見ていかないのか?」
ごく自然の流れで問われた質問にあいつは、俺とバッチリ合った視線を逸らして、苦しそうに笑いながら
「止めておくよ」
とだけ口にし、体育館をあとにした。