Fall in love with you【R18】
第2章 second
ー烏養ー
ゴロゴロ…と上空が嫌な音を響かせ、淀んだ色の雲が頭上を覆っていく。
「こりゃ一雨きそうだな…。」
あいつ、ちゃんと帰れたのか?
ふと浮かんだ疑問に
いやいやいつも来てっから心配してやってるだけだ、と自分に言い聞かせた。
「お前ら天気悪くなりそうだから自主練は程々にしとけよー」
「オーッス」
バレー部員達に一声かけ外に出ると案の定ポツリと降り出してきて、車まで走った。
「くっそ、冷てぇー!」
車までのほんの僅かな間に本降りに変わり、シャツもかなり濡れた。
家に帰るまでの辛抱だと車を走らせ、坂ノ下の前を通り過ぎようとしたら
「は…?藍原?」
店の屋根の下にしゃがみ込むアイツの姿があった。
「おい、何してんだ!」
車を降りて声を掛けると、顔を上げるなり俺に抱き着いた。
「烏養さん…会いたかった…。」