Fall in love with you【R18】
第11章 eleven
結局烏養さんへの質問攻めは私のバイトが終わるまで続き、オジサンは隣に住んでる人に連れられて帰って行った。
問題はここから。
「けーしん、送ってって?」
「タクシー呼んでやっから自分で帰れ」
「やぁーだぁー」
ベロンベロンに酔っ払ったハルさん。
当然自力で帰るのは難しそうだし、かと言ってお店に泊まらせるのは、ちょっと無理……
「ねぇ、繋心んち、泊めて?」
「ふざけんな。誰が泊まらせるか」
「前はよく泊まらせてくれたのに……」
ツキン……
分かってても、やっぱり痛む心。
「お前なぁ……」
「じゃあさ、俺ん家泊まれば?」
そう、言葉を発したのは、若干殺気を漂わせている嶋田さんだった。
「繋心はこれから彼女ん家行くんだから、お前いたら邪魔だろ」
「嶋田毒舌~。わかった、自分ちにかえる」
仕方なく、という感じで、呼んでもらったタクシーに乗り店を後にしたハルさん。
後部座席へ乗り込んだ時の寂しそうな横顔に、本当にこれでよかったのかと不安になってしまった。
「悪い……嫌な思いさせちまって」
「いえ、そんなこと……」
本当に嫌な思いをしたのはハルさんの方なんじゃ……そう考えずにはいられなかった。